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ほら貝blog

6月18日

 東京都美術館で「バルテュス展」を見た。久々に濃い展覧会だった。下着があらわな「夢見るテレーズ」のポスターが話題になったが、パンツをはいているのはあれくらいで、後は普通に割目が描かれている。児童ポルノ法の基準ではまさに児童ポルノだが、客の大半は女性だった。

 20代で描いた「嵐が丘」の連作が面白かった。ヒースクリフは1930年代風の与太者で、原作とは似ても似つかぬ完全なSMの世界になっている。奥さんが日本人だというのは有名だが、「座頭市」のファンだったらしく、勝新太郎に贈った特装版の画集や、勝から贈った袴などが展示してあった。

6月19日

 いい加減マンネリかと思ったが、やけに評判がいいので「X-NEN フューチャー&パスト」を3D字幕版で見た。面白かった。過去改変ものだが、ひねりがうまい。おなじみのメンバーはみな年をとったが、2023年という設定なので年をとっていて正解なのだ。

 3Dもよく出来ていて見ごたえあり。中国奥地の寺院が「47ronin」のおどろおどろしい長門の国そっくりだったのは笑った。インターネットの時代になったというのに、アメリカ人の美術スタッフは日本と中国の区別がつかないらしい。

6月20日

 世田谷パブリックシアターで『白石加代子「百物語」ファイナル公演』を見た。1992年6月にはじまったシリーズは第一夜から第四夜までは見たが、切符がとれなくなり縁が切れた。途中、二回くらい見たおぼえがあるが、今回で最後ということで久々に出かけた。

 前半は三島由紀夫の名品「橋づくし」(『花ざかりの森・憂国』所収)。「百物語」向きの作品なのでとっくにやっていると思ったが、傑作は最後にとっておいたのだろう。ユーモラスで、適度に意地が悪く、ふっくらとしていて、期待通りの出来。

 後半は泉鏡花の「天守物語」。姫路城の天守閣のてっぺんに巣くう妖怪の富姫と鷹匠の悲恋物語で、花釣りの優雅な場面からしだいに妖怪の本性があきらかになっていく条が笑える。最後のクライマックスの盛り上がりと、肩透かしは見事。

 意外だったのは「百物語」リストを見ると、鏡花はこれと「高野聖」の二編だけだったこと。鏡花はこの人のアクの強い芝居を活かせる題材の一つだと思うのだが。

 もう一つ意外だったのは石川淳と安部公房が一本もなかったこと。見逃していたら困るなと思ったが、一本もないとは。

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作家と語る            Aug05 1996
石川淳を読む           Mar07 2001
安部公房を読む          Mar07 1999
◇ 拙著紹介
『電脳社会と日本語』(文春新書)
    紹介ページ            Apr30 2000 更新
    サポートページ          Apr05 2000 更新
『図解雑学 文字コード』(ナツメ社)
    紹介ページ            Aug05 2002 更新
    サポートページ          Aug05 2002 更新
◇ ライブラリー
批評                  Feb28 2004 更新
映画                  Mar01 2004 更新
演劇                  Jul06 2000 更新
SF                  May25 1997 更新
                   Jul21 2001 更新
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