Washington Square

加藤弘一
*[01* 邦 題<] ワシントン・スクエア
*[02* 製作年<] 1997
*[03* 監 督<] ホランド,アニエスカ
*[03* 原 作<] ジェイムズ,ヘンリー
*[04* 出 演<] リー,ジェニファー・ジェイソン
*[04*    <] フィニー,アルバート
*[04*    <] スミス,マギー
*[04*    <] チャップリン,ベン
*[04*    <] アイヴィー,ジュディス
*[05* 製 作<] Buena Vista
*[05* 地 域<] R1、NTSC
*[06  枚 数<] 片面1層×1
*[06  時 間<] 115分
*[06* 音 声<] 英語
*[06* 字 幕<] 英語
*[06* 画 面<] 16:9 LBX
*[07  特 典<] 無し
*[08* 作 品<]☆☆☆☆
*[08* 特 典<]×
*[08* 画 質<]☆☆☆
*[08* 音 質<]☆☆

 ヘンリー・ジェイムズの中編、『ワシントン・スクエア』の二度目の映画化である。最初の映画化はウィリアム・ワイラー監督の『女相続人』(1949年)だが未見。

 原作のヘンリー・ジェイムズ、監督のアニエスカ・ホランド、主演のジェニファー・ジェイソン・リー、名脇役として定評のあるマギー・スミス、アルバート・フィニー(『エリン・ブロコビッチ』の老獪弁護士)と、マニア受けのする名前が並んでいるのに、日本では公開されずビデオすら出ていない。

 なぜだろうという興味もあって見てみたが、予想以上によくできていた。しかし、日本未公開の理由も推測できた。ヘンリー・ジェイムズといえば華麗なコスチューム・プレイだが、この映画は野暮ったいのだ。

 19世紀のニューヨークはスティーグリッツの写真のように泥道ばかりの荒くれたど田舎だった。原作は40年前のメロドラマを回想する形式で書かれているので、野暮ったく作るのが正しいが、『鳩の翼』や『金色の嘘』のような絢爛豪華な画像を期待した観客は落胆するだろう。

 話が暗いということもある。持参金だけが取柄の不器量な娘が伊達男に裏切られ、性格がねじけていく話をじっくり正攻法で作っているのだ。ホランドはずいぶん救おうとしているが、なまじ出来がいいだけに後半は見ているのがつらくなる。

 最初の映画化でキャサリンを演じたオリヴィア・デ・ハヴィランドはアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、NY批評家協会賞とアメリカの三大映画賞を総なめにしている。こういう役をやるのは負担が大きいだろうが、ジェニファー・ジェイソン・リーはよくやっている。ただ、色気を封じられブスに徹しているので、ファンとしてはフラストレーションが残る。お節介叔母さんのマギー・スミスは適材適所だが、十年若かったらと思わないでもない。厳格な父親のアンソニー・フィニーは安定している。

 画質・音質とも並み。特典はない。

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This page was created on Apr30 2003.
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