『アナザヘブン』

加藤弘一
*[02* 製作年<] 2000
*[03* 監 督<] 飯田譲治
*[04* 出 演<] 江口洋介
*[04*    <] 市川実和子
*[04*    <] 原田芳雄
*[04*    <] 柄本明
*[04*    <] 松雪泰子
*[05* 製 作<] ポニー
*[05* 地 域<] R2、NTSC
*[06  枚 数<] 片面2層×1
*[06  時 間<] 131+29分
*[06* 音 声<] 日本語5.1
*[06* 字 幕<] 英語
*[06* 画 面<] 16:9 LBX
*[07  特 典<] SFXメイキング、メイキング
*[07     <] 予告編、主題歌、文書資料
*[08* 作 品<]☆☆☆☆
*[08* 特 典<]☆☆☆☆
*[08* 画 質<]☆☆☆
*[08* 音 質<]☆☆☆

 飯田穣治氏が原作・脚本・監督を兼ねたSFホラー。「メディアミックス」と称して、同じ設定の別のストーリーをTVで放映したそうだが、TV版は未見。難解という評判だったが、映画版に関する限り、単純明解なエンターテイメントである。

 この映画の魅力は9割方、市川実和子にある。主人公の刑事にまといつくキャパクラ嬢の役だが、チワワのような表情に愛情欠損の生いたちが透けて見え、たまらなく愛おしい。主演した「コンセント」よりもよく、この一作で彼女のファンになった。

 主人公があこがれる女医役の松雪泰子もよかった。角度によって加賀まり子そっくりに見えるが、正体を現して原田芳雄を殺す場面ではあからさまに加賀まり子していて怖い。

 最初の犯人を演ずる岡元夕紀子はあっさり死んでしまった。主人公の江口洋介の影は薄い。悪の存在は彼に同質のものを感じたから接近したはずなのに、病的な部分がさっぱり描かれないのだ。このあたりをしっかり描いていれば、すべての人間にひそむ悪というテーマが浮かびあがり、もうひとまわり大きな作品になったろう。

 画質・音質は並み。濁った色調がホラーに合っている。5.1ch音声に「ドラッグサラウンド」というモードがあるが、音の定位をわざとらしく振るだけで、どうということはない。いい機械なら効果が出るのだろうか。メイキングはSFXのメイキングと、ハリウッド流のメイキングの二つがあり、内容は半分くらい重複しているが、本篇の口直しになる。

 すべての人に進められる作品ではないが、市川実和子ファン(いるかな?)なら必見だ。

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