『書剣恩仇録』

加藤弘一
*[01* 原 題<] 書劍恩仇録
*[02* 製作年<] 1981
*[03* 監 督<] 楚原
*[03* 原 作<] 金庸
*[04* 出 演<] 狄龍
*[04*    <] 白彪
*[04*    <] 鄧偉豪
*[04*    <] 陳璂璂
*[05* 製 作<] ショウ・ブラザーズ
*[05* 地 域<] R3、NTSC
*[06  枚 数<] 片面2層×1
*[06  時 間<] 101+10分
*[06* 音 声<] 北京語
*[06* 字 幕<] 英語、マレーシア語、インドネシア語
*[06* 画 面<] 16:9 スクイーズ
*[07  特 典<] インタビュー(狄龍)
*[07     <] スチル集、ポスター画像
*[07     <] 文書資料
*[08* 作 品<]☆☆
*[08* 特 典<]☆☆☆
*[08* 画 質<]☆☆
*[08* 音 質<]☆☆

 武侠電影電視によると、金庸の『書劍恩仇録』は1960年以来、映画化が4度、TV化が3度おこなわれているが、このDVDは1981年に香港のショー・ブラザースが製作したもので、2度目の映画化にあたる。早口の北京語音声だけだが、原作を読んでいたし、英字幕がついているので、どうにかついていけた。

 原作は4巻の長編で、一年間の大河ドラマになるくらいの内容をもっている。いくら早口でも1時間41分でおさまるはずはなく、3巻目冒頭の陳家洛が西域に旅立つ場面で終わっていて、最大の見せ場である西域の会戦場面はない。

 香港映画はよく知らないが、狭いスタジオに貧弱なセットをちまちま作っていて、内輪で安く作っているなというのが正直な感想である。ただ、つぼは押さえていて、限られた空間を飛んだり跳ねたり賑やかで、プログラム・ピクチャーとしてはよくできている。

 『グリーン・デスティニー』と較べてもしょうがないが、とにかく安っぽい。ただ、安っぽさに居直っている部分もあって、乾隆帝に扮した白彪はコメディ系の人らしく、拉致されて陳家洛の部下たちにからかわれる場面は笑える。

 特典の「星光傳奇狄龍」というインタビューはこのDVDのために撮ったものらしく、中年のオヤジになってもトレーニングを欠かさない最近の狄龍の姿を見ることができる。「幕後花絮」はメイキングかと思ったら、撮影風景のスチル集だった。楚原監督がランニングに短パン姿で、役者に演技をつけている写真もあって、いかにも家内制手工業という感じだ。「原装海報」はオリジナルのポスター画像、「電影簡介」は200字ほどの簡単なプロダクション・ノート。監督と役者の紹介文書もある。

 1980年代の映画のDVD化としては画質・音質ともに良好で、こだわりが感じられる。特典といい、ハマー・フィルムのDVD化に通ずるものがある。

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