『サンダーバード 劇場版』

加藤弘一 *[01* 原 題<] Thunderbirds are go
*[02* 製作年<] 1966
*[03* 監 督<] レイン,デヴィッド
*[04* 出 演<] アンダーソン,シルヴィア
*[05* 製 作<] MGM
*[05* 地 域<] R2、NTSC
*[06  枚 数<] 片面2層×1
*[06  時 間<] 94+40分
*[06* 音 声<] 英語5.1DTS、日本語モノ
*[06* 字 幕<] 日本語、英語
*[06* 画 面<] 16:9 LBX
*[07  特 典<] メイキング三編、音声解説(監督、製作)
*[07     <] オリジナル予告編、声あてクイズ
*[07     <] カラー小冊子
*[08* 作 品<]☆☆
*[08* 特 典<]☆☆☆☆
*[08* 画 質<]☆☆☆
*[08* 音 質<]☆☆☆☆

 ご存知「サンダーバード・シリーズ」の劇場版で、1966年に製作されていたが、2004年にNHKで放映されるまではコアなファン以外には忘れられていたようだ。

 2004年は実写版リメイクのおかげで「サンダーバード」に再び注目が集まった年だ。TVシリーズと本作をふくむ劇場版2本がデジタル修復されて再テレシネされ、音声も5.1chDTS化された。このDVDに収録されたメイキングと音声解説も2004年に製作されている。

 忘れられていたのは出来が悪かったからだろう。横長のシネスコ・サイズ、しかも5.1chDTS音声の迫力は感動的だが、ストーリーがお粗末なのだ。45分番組ならメカとキャラクターの魅力だけで引っぱれるが、90分をこえる映画では無理である。

 日本語吹替は黒柳徹子がレディ・ペネロープをやっていたので1967年日本公開時のものかと思ったが、やけに声が婆くさい。こんなはずはないと思い、調べたところ、日本公開時の音源がなくなっていたので、2004年に再録音したものとわかった(Wikiepediaによる)。黒柳徹子の輝くような声のレディ・ペネロープが失われたのは惜しい。

 しかし、このDVDは買ってよかったと思っている。まず、オ5.1ch化されたオリジナル音声で見ることができたこと。テーマ曲も爆発音も、段違いの迫力である。レディ・ペネロープの声は気品があって色っぽく、一聴の価値がある。日本語吹替はモノラルなので、迫力も半減だ。英語版で見ることを強くお勧めする。

 知らなかったが、レディ・ペネロープの声をやっていたのはシリーズの製作者ジェリー・アンダーソンの妻で、共同製作者でもあるシルヴィア・アンダーソンだった。メイキングで姿を見ることができるが、今も昔も黒柳徹子によく似ている。

 メイキングは「「サンダーバード」の誕生」、「人形とロケット」、「模型での撮影」の三本にわかれているが、本篇よりもおもしろい。

 音声解説はシルヴィア・アンダーソンと監督のデヴィッド・レイン。現在のシルヴィア・アンダーソンの声は黒柳徹子の吹替同様、婆くさくなっている。

 彼女はセンチュリー21スタジオはファミリーのようだったと懐かしがっていた。家内工業はけっこうだが、ストーリーまで彼女とジェリーの二人で作っていたというので、オイオイと思った。脚本がちゃんとしていれば、劇場版は興行的に失敗することはなかったろう。家内工業の限界である。

 話はつまらないが、デジタル技術で甦えった映像と音声(英語版)はなかなかである。こうなると再テレシネされたTV版シリーズのDVDがほしくなってくるが、値段が値段である。第1話と特典映像だけをおさめた「体験版」があるということなので、試しに買ってみようか。

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