『黙秘』

加藤弘一
*[01* 原 題<] Dolores Claiborne
*[02* 製作年<] 1995
*[03* 監 督<] ハックフォード,テイラー
*[03* 原 作<] キング,スティーブン
*[04* 出 演<] ベイツ,キャシー
*[04*    <] リー,ジェニファー・ジェイソン
*[04*    <] パーフィット,ジュディ
*[04*    <] プラマー,クリストファー
*[05* 製 作<] ワーナー
*[05* 地 域<] R2、NTSC
*[06  枚 数<] 片面1層×1
*[06  時 間<] 131+3分
*[06* 音 声<] 英語、日本語
*[06* 字 幕<] 日本語
*[06* 画 面<] 16:9
*[07  特 典<] 音声解説(監督)
*[07     <] オリジナル予告編
*[08* 作 品<]☆☆☆☆
*[08* 特 典<]☆☆☆
*[08* 画 質<]☆☆
*[08* 音 質<]☆☆

 封切時にはほとんど話題にならず、見逃している。今回、はじめて見たのだが、これは傑作である。スティーブン・キング原作の映画の中では『ショーシャンクの空に』と並ぶ出来で、もっと評判になっていい。

 いきなりショッキングなシーンからはじまる。キャシー・ベイツ主演だし、同じキング原作の『ミザリー』の連想でホラーかと思ったが、音声解説によるとこれも監督の計算のうちである。

 ニューヨークで新聞記者をしている娘のセリーナ(リー)がかけつけてきて、母娘の葛藤をつうじて、今回の事件と20年前の事件の真相がすこしづつあきらかになっていくが、過去と現在の交錯がみごとだ。原作(未読)は主人公のモノローグ仕立だそうで、映画の方が作品として深くなっていると思う。

 終始キャシー・ベイツの存在感が圧倒するが、ラスト、ジェニファー・ジェイソン・リーがキャシー・ベイツを食う芝居を見せる。二大女優の名演が堪能できた。

 特典はハックフォード監督の音声解説ぐらいだが、これがいい。静かな口調で淡々と語るが、緻密な思考過程を披露してくれる。

 画像は悪くない。北の海に浮かぶ島の寒々とした風景が美しく、東海岸と西海岸という違いはあるが、『ヒマラヤ杉に降る雪』に通じるものがある。

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